炭化コルク
炭化コルク[ 断熱材 ]
炭化コルクはエコロジーな素材
炭化コルクは、コルク樫の樹皮を剥ぎ取り、それを集めてブロック状に蒸し焼きにして炭化させたもの。 コルク自体は樹脂成分だけで固まるため、有害な化学物質を一切含まない天然コルク100%の素材です。
炭化コルクの原料となるコルク樫は、ポルトガル、スペイン、南フランス、北アフリカの地中海沿岸地域に群生しています。 木の寿命は約200年ですが、これを伐採せず、羊の毛を刈るように丹念に樹皮だけを剥ぎ取ります。
コルク樫は再生力が強く、1度剥ぐと約9年のサイクルで再生し、 トータルで約20回コルクの樹皮を採取することができるエコロジーな素材です。
弊社が断熱材として使う炭化コルクは、凹凸が多く堅くて使用しづらく廃棄されやすいバージンコルクや、 ワイン栓を製造したあとの残りなどを利用し、資源を有効的に活用しています。
炭化コルクの特徴
炭化コルクは水分を外側へ逃がす透湿(とうしつ) しやすい素材なので、 断熱材に使用することによって、壁体内に湿気がこもりにくくなります。
外壁仕上げ材の下地材としての役割も果たしているので、外壁の漆喰との相性も抜群です。 外壁の他にも、屋根や内壁の断熱材に用いることもあります。
コルクの細胞はハニカム構造になっており、それをさらに炭化することで、気泡部分が開き、湿気を吐いたり吸ったりする調湿性質を持つようになります。乾燥した冬やジメジメした夏は、炭化コルクの性能で湿気をコントロールしてくれます。また炭と同様に炭化コルクには、目に見えないミクロの穴が無数に空いるので、消臭効果もあります。
(消臭試験内容)炭化コルクを5Lテドラーバックの内部に入れ、一定濃度のアンモニア含有空気を封入し、各時間後の濃度を測定した。
※アンモニア:汗臭、加齢臭、タバコ臭、排泄臭
高い断熱性能
1立方センチメートルあたり4000万個の空気を内包した微細な細胞から構成されている炭化コルクは、優れた断熱性能(0.038W/m・k)を持っております。また、炭化させる前のコルクは、スペースシャトルのエンジンノズルの断熱材としても使用されていました。
防音・防虫・耐腐食性能
炭化コルクは優れた防音性と吸音性(1,000~2,000ヘルツの音を吸音)があり、衝撃吸音性により音の振動を遮ります。これにより、従来の高断熱・高気密住宅の「音が響く」という弱点を解消しております。
また、コルク樫の木には、スベリンという蝋質(ろうしつ)の物質があり、虫やダニを寄せつけにくく、炭化させることによって栄養分がなくなり長期的に腐らず、その形状と弾力性を保ちます。
なるほどCOLUMN
外断熱工法に最適な炭化コルク
炭化コルクと漆喰を組み合わせてみると、優れた性能を発揮します。それは、炭化コルクを下地にし、その上から不燃材の漆喰を組み合わせることによって、相乗効果が得られることがわかりました。2つの素材の融合で、耐火性が上がり、国土交通省の厳しい試験をクリアし、「30分防火構造」の認定を取得しています。また、万が一燃えた場合でも、化学接着剤を使用している化学建材のようにダイオキシンなどの有害ガスが発生することもありません。