COLUMN コラム 家づくりに役立つ豆知識やポイントなどを詳しく説明いたします。
リビングにスタディコーナーを設けるのがおすすめ!間取りの事例もご紹介します!
スタディーコーナーの設置をご検討中の方はいませんか。
最近はリビングやダイニングの横にスタディーコーナを設置する方が増えています。
今回は、リビング学習のメリットとデメリットやレイアウトの実例、お子さんが成長した後の使い方について解説します。
この記事をぜひ参考にしてみてください。
□リビング学習のメリットとデメリットについて
リビング学習のメリットとして、一番に挙げられるのが勉強を日常生活の中に組み込めることです。
なぜなら幼いお子さんは自制心が十分に養われていないことが多く、勉強机に向かって勉学に励むというのは非常にハードルが高いことだからです。
リビングに学習スペースを設けると、すぐに勉強を始められます。
そのため、勉強へのハードルを格段に下げることにつながります。
実際、最近では自室での学習ではなく、リビングの学習が注目され、多くの方がリビング学習を取り入れているのです。
「東京大学に合格した約8割の方がリビングで学習したことがある」というデータを耳にしたことがある方も多いでしょう。
「勉強は静かな環境の方が集中しやすいのではないか」
このように反論される方も多いでしょう。
しかし、実はリビングのようなリラックスできる環境の方が、人間の脳は高い集中力を発揮することが研究から証明されているのです。
また、わからないことがあったらすぐに質問できるのがリビング学習の魅力の1つです。
勉強中にわからないことが出てきてやる気が失せたという経験はありませんか。
私たちですらこのような経験をするのですから、幼いお子さんは言うまでもありません。
家族間のコミュニケーションを活発にできることがリビング学習の側面でもあります。
それに、わからないことをそのまま放置しておくことも喜ばしいことではありません。
なぜなら、学校の勉強についていけなくなるだけではなく、困ったら放置する癖が幼い頃についてしまうとのちに矯正することが困難だからです。
リビング学習だとすぐに疑問を解消できるので、このような心配はいりません。
リビング学習のデメリットを挙げるとすれば、学習が夕食などで中断されることでしょうか。
「せっかく集中していたのに、夕食に邪魔されてしまった」
こうなってはリビング学習の効果が半減してしまいます。
このような事態を回避するための対策として、学習机をリビングのテーブルから離れたところに設置することが挙げられます。
□子供がリビングで学習することのポイントとは
1つ目のポイントは、親と同じ空間にいることで子供のやる気が促進される点です。
みなさんは友達が勉強頑張っているから負けじと勉強しようと張り合っていた経験はありませんか。
このようなことがスタディコーナーでも期待できます。
「親が頑張って家事をしているから、自分も勉強頑張ろう」
このような気持ちを子供に抱かせやすいです。
2つ目のポイントは、集中力を高められる点です。
先ほど言ったようにある程度の騒音ならば、集中力に影響ありませんが、テレビの音や家族同士の会話は別です。
このような騒音はお子さんの集中力を削いでしまうでしょう。
しかし、逆にいえばこのような環境で集中できればどんな場所でも適応できる力を養えます。
□スタディコーナーのレイアウトの実例についてご紹介!
1つ目は、スタディーコーナーの壁紙を落書き可能な黒板壁紙にした実例です。
小さなお子さんですから、壁に落書きすることも十分に考えられます。
キッチン横に備え付けのデスクファニチャーを設置しただけでなく、近年注目を浴びている黒板壁紙を採用することによって、楽しさを追求したレイアウトです。
キッチンのすぐ隣にあるダイニングテーブルに向かい合う壁沿いに設置します。
お子さんの勉強だけでなく、親御さんの書類作成スペースや趣味のスペースとしても利用できます。
そのため、お子さんが成長して使わなくなってもある程度の有効活用が期待できます。
2つ目は、2階ホールにスタディーコーナーを設けた実例です。
「リビングの広さを考慮すると、どうしてもスタディコーナーを設置するのは無理がある。」
このようなお悩みを抱えている方も多いでしょう。
そんなときは無理にリビングにスタディコーナーを作るのではなく、2階ホールに作ることを検討してみてはいかがでしょうか。
階段ホールに勉強するスペースを設け、そこでお子さんたちは勉強したり漫画を読んだりできます。
壁紙をお子さんの好みに合わせたものをチョイスすることで、やる気を刺激してあげられることでしょう。
3つ目は、ダイニングのすぐ横にスタディコーナーを設置した実例です。
この実例は、どちらかというとスタディーコーナーとしてではなく、多目的スペースとしての要素が強いです。
「子どもが小さい間は勉強から遊びまで料理しながら面倒を見れるように1階だけで完結させたい」
このようにお考えの方も多いのではないでしょうか。
ダイニングのすぐ横にスタディーコーナー、つまり多目的スペースを設置することによってお子さんの勉強スペースだけでなく、アイロンがけなどの家事をする場所としての使用が可能です。
4つ目は、キッチンからお子さんを見守りやすい位置にスタディーコーナーを設けた実例です。
この実例は、平屋にお住まいの方にぜひともおすすめしたいレイアウトです。
なぜなら、キッチン、ダイニング、リビング、和室のスペースに家族全員が集まる時間が増えるからです。
この実例も当然、料理をしながらお子さんの宿題をしている様子を見守るのに適しています。
家事のしやすさとお子さんの見守りの両立を図った素晴らしいレイアウトであると言えます。
□子供が成長した後のスペースの使い方について
お子さんがリビング学習するメリットやポイントを紹介しましたが、このように思った方はいませんか。
「確かに小さい頃は役立つかもしれないけど、成長するとリビング学習のスペースは必要なくなるのではないか」
確かに小学生までなら、リビング学習でも問題ないでしょう。
しかし、お子さんが中学生、高校生と成長していくとある程度集中力や自制心が養われていき、自室でも集中力を保って学習できるようになってきます。
そうするとリビングの学習スペースは必要なくなるのではないか、とお考えになられる方も多いです。
そこで、ここではリビングの学習スペースをどのように使用するべきか解説します。
1つ目は、書斎スペースとして活用することです。
これまで書斎を作ってみたかったけど、スペースがないため断念していた方も多いのではないでしょうか。
お子さんが成長してリビングの学習スペースが必要なくなったタイミングで、ぜひ学習スペースを書斎スペースとして再利用してみましょう。
2つ目は、趣味のためのスペースとして活用することです。
手芸や絵画、写真などさまざまな趣味があります。
これらをすべてリビングの学習スペースで行うことで、快適な作業を実現できます。
手芸をしたり、絵を書いたりする方は、スペースや机があった方がやりやすいでしょうし、写真が趣味の方は、パソコンを置いて写真を取り込むためのスペースがあった方が快適でしょう。
このように、リビングに趣味をするのに適したスペースがあるだけで、家族とのコミュニケーションが円滑になりますし、自分の趣味にも集中できるという一石二鳥のメリットがあるのです。
ただ、東京大学の例でも挙げたように、優秀な方はリビングでの学習を効率的に取り入れていますので、そのまま学習スペースを残しておいても良いでしょう。
□スタディーコーナーの選び方のコツについて
✳︎学習専用のスペースを設ける
「食事の時間になると学習が途中でも片付けなければならない」
「家族の行き来のせいで集中できない」
このようなことがないように、学習スペースはリビングのテーブルから離して設置するようにしましょう。
その際注意するべきことは、スペースの広さです。
カウンターを小さくしすぎてしまうと、将来別の用途での活用の幅が狭くなってしまいます。
2、3人程度座れるほどスペースを確保しておくと余裕を持って学習できるでしょう。
さらに、デスクファニチャーを設置することもおすすめです。
デスクファニチャーとは、「造り付けの机」のことでリビングの空間を圧迫しないように設計されています。
デスクファニチャーは、基本的に壁に向かって設置されるので、高い集中力を発揮することが期待できます。
✳︎整理整頓を徹底する
学習や趣味の助けになる一方で、物置と化してしまう恐れがあるのがスタディーコーナーの特徴です。
リビングにあるちょうど良い広さの机は家族の一時的な物置として使いやすく、いつの間にか完全なる物置になっていた、というケースも少なくありません。
そのため、買い物帰りや帰宅時の物置き場所として非常に便利ではありますが、すぐに定位置に移動させるように意識しましょう。
いざ勉強しようとしたときに机の上が散らかっていると、やる気が起きないかもしれません。
片付けてからでないと勉強が開始できないということがないように、常日頃からこまめに整理整頓をしていきましょう。
✳︎疲れづらい環境づくりを意識する
疲れづらい環境づくりをするには以下のようなことを意識すると良いでしょう。
・カウンターやテーブルの高さ
・目が疲れないような照明
座った時のカウンターやテーブルの高さはひじを快適につけるような位置に調整しましょう。
また、体の成長に伴って窮屈に感じないように、高さを変えられるような椅子をチョイスすると心配ありません。
照明に関しては、室内が均一な明るさに保たれているか確認しましょう。
手元の明るさが確保されているかも重要です。
明るさが足りないところにはブルーライトなどを用いて、照明をプラスしましょう。
□まとめ
スタディコーナーがいかに役立つものであるかをわかっていただけたでしょうか。
これはまさにお子さんの面倒と家事を両立したい方にとってうってつけです。
ぜひ検討してみてください。
私は住まいにかかわる仕事が好きです。それはいろんな形があります。いろんな課題も。
同じ土地は二つはありません。
だからそこに建つ家も同じにはなりません。
地域や気候によって良い住まいのカタチは変わります。
この解の無い問いに向き合う中で、その奥に広がる可能性を感じる瞬間、背中にビビッと走る快感があります。
空想だけじゃない、実現力も必要。だって私は家づくりのプロフェッショナルだから。